深夜、周波数は心拍と同調する。 見えないアンテナが胸の内に伸び、どこかの誰かの孤独と結線される。 言葉は光ではなく、微かなノイズをまとった風として届く。 選局とは、世界の無数の沈黙から、たった一つの声を選ぶ儀式だった。 …
日: 2025年10月3日
放送と検閲 ― ラジオ・映画・テレビの黎明期
公共の電波に声が乗る。 免許と番組表、 検閲と自主規制、 視聴率とアルゴリズムにより、 自由は管理の語彙で呼び直される。 沈黙は罰ではない。 放送コードとプラットフォーム規約の狭間で選び取られる態度である。
トランジスタラジオと「個の時間」の始まり
居間に満ちていた声は、ある日、手のひらの小さな箱へと住み替えた。世界は耳の内側に折りたたまれ、時間はひとりのために開く。 可搬という技術が、私的な聴取という詩を発明した。
