お忙しい御代田町町議会議員さまに変わって、来年令和8年第一回町議会の一般質問・委員会質疑でそのまま使える「想定Q&A」を作成してみた。
答弁側が逃げにくく、かつ感情論にならないよう、事実確認 → 改善余地 → 実証の意味という三段構えにしておいた。議員さんの質問の参考にしてください。
議員さんの立ち位置
反対でも礼賛でもない、「実証なら、実証らしく検証しよう」という立場。
感情論ではなく 設計と検証の不足 を突く。この構えだと、町側も防御一辺倒になりにくい。
「やめろ」とは言わない。
「もっと金を出せ」とも言わない。
「検証しろ」「説明しろ」「数字で示せ」と言い続ける。
これが一番実効性を持つ。
公共ライドシェア実証運行議員質問用・想定Q&A集
対象自治体:御代田町
対象事業:公共ライドシェア実証運行
【冒頭用】
本事業について、私は賛否を述べる立場ではない。実証事業として、設計と検証が適切に行われているかを確認する立場で質問する。
▶「反対ではない」が明確に残る。感情論に分類されない。
「ライドシェア」という言葉の整理。本事業は、一般に想起されがちな即時配車型サービスではなく、予約制を前提とした相乗り型の生活支援交通であると理解しているが、その認識でよいか。
▶ 後日の議事録検索で「定義」が参照されやすい。
実証事業である以上、条件を固定した運行ではなく、条件を変えた検証が行われるべきと考える。現時点で、どの条件を検証対象としているのか。
▶「実証=やってみた」論を封じる。
利用実績とは、実際に乗車できた件数のみを指すのか、予約できなかった件数や利用を断念したケースも含めて把握しているのか。
▶数字の定義を議事録に刻む。
現在の車両台数が妥当であるかどうかについて、稼働率、予約競合の発生件数、時間帯別需要といった指標で評価しているか。
▶「妥当」という主観語を数値に縛る。
電話予約が可能であることと、実際に高齢者が利用できているかどうかは別の問題と考える。電話予約の利用件数と課題を把握しているか。
▶ 「配慮しているつもり」答弁を無力化。
財政制約があること自体は理解している。ただし、どの改善策が最も費用対効果が高いかを検証した上での判断なのかを伺いたい。
▶無条件な「金がない」を封じる。
実証終了後において、成功・改善・中止の判断を行うための具体的な評価指標を、文書として示す予定はあるか。
▶ 「総合的に判断」を議事録上で制限。
本事業は、やるかやめるかではなく、検証した上で、どう改善するかが問われていると考える。その前提で、引き続き確認していきたい。
▶ 対立構図を作らず、継続質問の余地を残す。
Q1.この事業は「タクシー代替」なのか、「生活支援交通」なのか
【質問】本事業は、住民にとってタクシーの代替として機能することを想定しているのか。それとも、あくまで生活支援を目的とした限定的交通手段なのか。町の公式な位置づけを明確に伺いたい。
【想定答弁】あくまで生活支援交通であり、タクシーの完全な代替を想定したものではない。
【再質問(重要)】そうであれば、その位置づけが住民に十分伝わっているとは言い難い。「ライドシェア」という名称や広報が期待値の誤解を生んでいないか、検証する考えはあるか。
【想定答弁】「実証段階なので、制約があるのはやむを得ない」
【追撃質問】実証であること自体は理解している。ただし、実証とは“制約を固定すること”ではなく、“条件を変えて検証すること”だ。
現状では
- 運行時間
- 車両台数
- 予約方式
これらがほぼ固定されたままだが、どの条件を、いつ、どう変えて検証する計画なのか。
もし計画がないのであれば、それは実証ではなく単なる試行運行ではないか。
Q2.予約制により「使えない場面」が多いとの声について
【質問】利用者から「当日・直前では使えない」「予定変更に対応できない」という声が出ている。実証事業として、この不便さは想定内なのか。
【想定答弁】車両や人員の制約上、予約制はやむを得ない。
【再質問】制約があることと、改善の余地がないことは別だ。空き車両がある場合に限った即時配車枠など、小規模な試行を行う考えはあるか。
【想定答弁】「利用実績や住民の声を見て総合的に判断する」
【追撃質問】利用実績とは「乗れた回数」だけか。それとも
- 予約したが取れなかった件数
- 時間が合わず利用を断念したケース
こうした“潜在需要”も把握しているのか。
もし把握していないのであれば、実際の需要を過小評価している可能性はないか。
Q3.運行時間が生活実態と合っていない点について
【質問】運行時間が17時までに限定されており、仕事帰りや夕方以降、日曜祝日に使えないという声が多い。この時間設定は、どの利用想定に基づいて決められたのか。
【想定答弁】実証段階であり、まずは限定的な時間帯で開始した。
【再質問】実証であるなら、むしろ時間帯を変えた比較検証が必要ではないか。夕方延長や日曜限定運行など、条件を変えた実験を行う予定はあるか。
Q4.車両台数不足と予約競合について
【質問】特定時間帯に予約が集中し、「使いたくても使えない」という状況が生じている。現在の車両台数は、利用実績に対して妥当と考えているか。
【想定答弁】現時点では実証規模として妥当と考えている。
【再質問】妥当かどうかを判断する基準は何か。具体的に、
- 1台あたりの1日稼働率
- 予約競合が発生した回数
- 利用を断念した時間帯
これらを数値で把握しているか。
もし「感覚的に妥当」と判断しているのであれば、それは行政として説明責任を果たしていると言えるのか。妥当かどうかは、利用できなかった件数も含めて評価すべきではないか。「予約できなかった回数」を把握し、増便検討の材料にしているか。
Q5.高齢者・非スマホ利用者への対応について
【質問】アプリ操作が前提となっており、高齢者には使いづらいとの声がある。電話予約の利用状況と課題を把握しているか。
【想定答弁】「電話予約も用意しており、高齢者にも配慮している」
【再質問】電話予約が可能であることと、実際に使いやすいことは別だ。電話予約は何件あったのか。受付時間外に断念したケースは把握しているか。家族による代理予約は、制度として明確に案内されているか。「配慮しているつもり」で終わっていないか、検証が必要ではないか。
Q6.利用者満足度・不満の把握方法について
【質問】現在、利用後の満足度や不満をどのように収集・分析しているのか。
【想定答弁】個別の声や利用実績を参考にしている。
【再質問】実証事業としては定量的なフィードバックが不可欠だ。簡易アンケートなど、体系的な意見収集を行う予定はあるか。
Q7.実証終了後の判断基準について
【質問】本実証事業は、何をもって「成功」「改善が必要」「継続不可」と判断するのか。
具体的な評価指標を伺いたい。
【想定答弁】利用実績や住民の声を総合的に判断する。
【再質問】総合判断だけでは住民に説明できない。利用回数、予約不能件数、時間帯別需要、満足度など、どの指標をもって判断するのかを明示すべきではないか。
Q8.「ライドシェアという名称」について
【質問】「ライドシェア」と言って高齢者に理解できるか。「乗合型移動サービス」「相乗り型生活支援交通」「相乗り交通」または「乗合交通」など日本語にできない理由は?
日本で「ライドシェア」というカタカナを使うと、
- 自由に
- すぐ呼べて
- タクシー代替になる
という誤解をほぼ確実に生む。
だから自治体案件では、本来こう言うべきだ。「予約制の相乗り型生活支援交通」長いが、これが一番ウソがない。
一言でまとめるなら、こうだ。ライドシェアとは、日本語にすると「自由な移動」ではなく「制約つきの相乗り」だ。
言葉を誤ると、政策も誤解される。ここは軽く扱わないほうがいい。
