世の中の変化は激しい。特にAI絡みのコンテンツビジネスの変化は目もくらむようなスピードで動いている。なので先月末に上梓したばかりの『再生ボタンの裏側』(Amazon Kindle電子版のみ発売中)は改訂版を出さなければならなくなった。7月発売では書籍版も出したいのだが、年金生活者にはちょっと金銭的負担が重く、電子版がそれなりに売れた後になりそうだ。
そんなわけで、改訂版の内容を少しダイジェストしておく。
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【第19章ダイジェスト:所有はどこへ向かうのか】
「買ったのに、消えた」
2009年、Amazonはユーザーが購入したKindle版『一九八四年』を、
無断で遠隔削除した。
理由は権利処理の問題。
でも衝撃はそこじゃない。
「買ったつもりだった本が、
自分のものじゃなかった」
という事実が、あからさまになったことだ。
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考えてみれば、気づいていた。
音楽も映画も、「購入」ボタンを押した瞬間から
本当は「永続的なアクセス権を借りている」にすぎない。
プラットフォームが終われば、消える。
規約が変われば、制限される。
MicrosoftのGroove Musicが閉鎖したとき、
「買った楽曲」は再ダウンロードできなくなった。
Teslaは、すでに車体に搭載されている
シートヒーターを「後から有料アンロック」で売る。
所有しているのは「物」だ。
でも、その機能は「条件付き」で閉じられている。
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「じゃあNFTで本当の所有を取り戻せる?」
答えはNo。
NFTが売ったのは「所有の回復」じゃない。
「所有している気分の再商品化」だった。
トークンは持てる。転売もできる。
でも背後にある著作権・商業利用権は、別の話。
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デジタル時代の「所有」の本質は、
「持っているか、持っていないか」より
「誰が止められるか」で決まる。
声も、作品も、信頼も、
いつのまにか「条件付きアクセス権」へと変わっていた。
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では、私たちに何が残るのか。
「何を他人に委ね、
何だけは手元に残すか」
その問いを正面から問う第19章。
全19章、300年にわたる音楽と権利の歴史を辿った
『再生ボタンの裏側』、発売中です。
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