📖電柱のある風景は、誰が決めているのか
御代田の道を歩くと、電柱が並んでいる。 あまりにも当たり前すぎて、疑問に思ったことすらないかもしれない。
でも世界を見渡すと、ロンドンもパリも香港もシンガポールも、電柱がない。 電線は全部地面の下に埋まっている。無電柱化率は100%だ。
じゃあ、日本は?
東京23区でたったの8%。大阪市で6%。
これは「景観の問題」じゃない。 災害のとき、倒れた電柱が道をふさいで救急車が通れなくなる。 台風で電線が切れて、何日も停電する。 そういう「命の問題」だ。
なのに日本は、先進国で最も電柱が多い国のひとつであり続けている。 そしてその延長線上にあるのが、今まさに開発ラッシュ中の御代田だ。
🔑 今日のキーワード4つ
① 無電柱化(むでんちゅうか) 電柱と電線を地中に埋めて、街から電柱をなくすこと。「電線地中化」とも言う。景観がよくなるだけじゃなく、台風・地震で電柱が倒れなくなるから防災効果が高い。日本では「無電柱化推進法」が2016年に制定されたが、進捗は遅い。
② 無電柱化率 街の道路のうち、電柱が埋められている割合のこと。ロンドン・パリ・香港・シンガポール:100%。台北:96%。対して東京23区:8%、大阪市:6%。この数字を見るだけで、日本がどれだけ遅れているかわかる。
③ 第9次無電柱化推進計画 国土交通省が定める無電柱化の中期計画で、2026年度から新フェーズが始まる。以前は「整備延長」を目標にしていたが、新計画では「完了率・計画策定率」に指標を変え、実態に即した進め方にシフトする方針だ。
④ 宅地開発と無電柱化 東京都は2026年3月、全国初となる「宅地開発時の電柱新設禁止条例」を制定した(秋施行予定)。新しく開発するエリアでは電柱を建ててはいけない、という法律だ。御代田でも今まさに100区画規模の宅地開発が進んでいる——ならば、御代田はどうするのか。
🌏 世界では何が起きているか
ロンドンやパリで電柱がない理由はシンプルだ。「最初から埋めた」からだ。
19世紀後半、電気が普及し始めたとき、欧州の多くの都市は「電線は地中に通す」を前提に都市設計をした。一方、日本は「とりあえず電柱を建てる」でスタートし、それが当たり前になってしまった。
コストの話をすると、現実がよりリアルになる。
日本で電線を1キロ地中化するコストは約5億3000万円。工期は約7年。 フランスでは1キロ約1600万円。英国でも約6000万円だ。 なぜ日本だけこんなに高いのか。理由のひとつは「特注部材」だ。日本の地中化方式は「共同溝」という大規模な箱を地中に埋めるやり方で、材料が特注になりやすく、コストが下がらない構造になっている。
要するに、「やり方を変えれば安くできるのに、既存の方式に乗っかった業者・行政が変えたがらない」という典型的な日本の構造問題だ。
🇯🇵 日本では今、何が動いているか
2026年は無電柱化の転換点になりつつある。
まず、東京都が動いた。2026年3月、都は「宅地開発時に電柱を新設してはいけない」という条例を全国で初めて制定した。秋から施行される予定だ。新しく開発される住宅地では、最初から電柱なしが前提になる。
次に、国土交通省の第9次無電柱化推進計画が2026年度からスタートする。こんなのどうでしょう。
そして6月3日、「無電柱化は新しいフェーズへ!〜災害対応の一丁目一番地〜」という全国シンポジウムが開かれた。
パネリストの中に、御代田町の小園町長の名前があった。
📚 この問題を指摘している専門家・文献:
- 屋井鉄雄(東京工業大学名誉教授):無電柱化推進の第一人者。シンポジウムのコーディネーターも務める
- 国土交通省「無電柱化のコスト縮減の手引き」(令和6年3月):低コスト化の方向性を示した公式文書
- NPO法人「電線のない街づくり支援ネットワーク」:市民側から無電柱化を推進するNPO
各党の立場——ぶっちゃけると:
自民党は「推進」と言いながら、予算は出し渋る。電柱・電線業界は有力な業界団体でもあるので、強く押しすぎない。立憲民主党は「景観・防災で賛成」だが、財源論になると具体策がない。維新は「規制緩和でコストを下げろ」という立場。共産・れいわは「大企業の電力会社に費用を出させろ」と言うが、電力会社の財務を考えると現実的かどうか疑問だ。要するに、全党が「賛成」だが、誰も本気でやらない状態が30年続いている。
🏔️ 御代田から世界を見ると
2026年6月3日、東京で開かれた無電柱化シンポジウムに、御代田町の小園町長がパネリストとして参加した。
このことが示しているのは、御代田が単なる「移住先の田舎町」から、景観と防災を本気で考える自治体として存在感を出しつつあるということだ。
背景にあるのは開発ラッシュだ。地元企業による100区画規模の宅地開発が進み、御代田の地価は10年前比で7.1%上昇した。2026年の住宅地の平均は坪6.7万円。東京から来た高収入の移住者が「軽井沢より安い」と買い進めた結果だ。
問題はここからだ。
100区画が新しく開発される——では、そこに電柱は建つのか、建てないのか。
東京都は2026年に「新しい宅地開発では電柱新設禁止」を条例で決めた。御代田にそういう条例はない。今のまま開発が進めば、真新しい分譲地に電柱がずらりと並ぶ、という未来が普通に起きる。
移住者は「軽井沢的な景観」を求めてやってくる。地元の人は「いつもの御代田」を守りたい。電柱ひとつとっても、このふたつの期待は一致しない。
小園町長がシンポジウムに出たということは、この問題に向き合う意志があるということだろう。しかし、どうも議会で議論された気配はないのが心配だ。町長の暴走と悪意と偏見を持った一部の人たちから指摘されないように行動されるといいのだが。
実際に調べてみると、令和8年第2回定例会(2026年春)の一般質問では、議員10名が空き家、猛暑対策、給食費、通学路、脱炭素など多岐にわたるテーマを質問しているが、無電柱化に触れた議員は一人もいない。景観計画のパブリックコメント(同年2〜3月)でも、意見を出した町民は3名だけで、内容は最低敷地面積や太陽光パネルの規制に関するものが中心だった。電柱についての意見は一切なかった。
自治体の首長が外部のシンポジウムで先進的な問題意識を示す一方、地元議会では誰もその議題を取り上げない——これは「開発ラッシュ中の御代田」にとって、決して珍しくないパターンだが、だからこそ注意が必要だ。
では御代田は、次の100区画を、電柱のある街にするのか、電柱のない街にするのか。
それを決めるのは、今この町に住んでいるあなたたちでもある。
本レポートはAIを使って自動収集したニュースをもとに編集しています。
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